ズバリ、コツ、あります。
この記事では、ボードゲームを自作する際にどんな流れでルールを決めていけばちゃんとしたゲームが作れるのか、いくつか例を出しながら解説していきます。
記事の内容
- ボードゲームのルールを決めるときの第一歩が分かります。
- 決めておくべきルールの優先順位を説明しています。
- 具体的な例を出して説明しています。
私も今まで10個20個とゲームのアイディアを考えてきましたが、ほぼ全てこの記事と同じ流れで思考しています。
面白いと思うものを見つける
まずはコンセプトを決めましょう。
難しく考える必要はありません。自分が「こんなゲームをやってみたい」「作ってみたい」と思える要素を1つだけ思い浮かべるんです。
初めてゲームを作る人は、いきなりたくさんのアイディアを組み合わせようとして、ゲームにまとまりが無くなり、どんどんやることが膨らんでしまって完成しないということがよくあります。
大切なのは、1つだけに絞ることです。
例えば・・・
- ドミニオンの様に自分のデッキを作る
- ポーカーや麻雀のような特定の役を作る
- たくさんトークンを集める
- 悪を倒す
- バトルロイヤルして生き残る
- ストラテジーの内政だけをする
- たくさんサイコロを振る
こんな風にイメージを出して、どれか一つを選びます。
勝利条件を決める
コンセプトを決めたら、先に勝利条件を決めてしまいましょう。
先に「山札を何枚にして~」とか「こんなコンボをするとこうなって~」とかコンセプトの内容を膨らませようとしてしまうと、最終的に何をすればいいゲームなのかがどんどんぼやけていって完成しなくなります。
いくつかのコンセプトを例に出して、勝利条件の決め方を説明します。
「たくさんサイコロを振る」ゲームの場合
選んだコンセプトによっては、この時点で簡単なゲームが作れます。
例えば、「たくさんサイコロを振る」ゲームで「一番多く1の数字を出した人が勝ち」と決めたとします。
まだいくつのサイコロを使うかは決まっていませんが、仮に10個使うとするなら、10個のサイコロを振って1が多く出たら勝ちになる、というシンプルなゲームがこの時点で完成しています。
「役を作る」ゲームの場合
「デッキを作る」「役を作る」「内政する」といった場合は、「一定のポイントに達したプレイヤーが勝利」といった勝利条件が考えられます。
「一定のターン経過した時に一番高いポイントのプレイヤーが勝利」でも良いでしょう。
ここで具体的なポイント数やターン数を決める必要はありません。
コンセプトはゲームのスタートで、勝利条件はゴールです。
スタートとゴールを決めると、自然とゲームの本筋が完成するわけですね。
面白さを拡張する
決めた勝利条件からはみ出さない範囲で、コンセプトにルールを肉付けしていきましょう。
ここから「どんな要素があったらより面白くなるだろう」「かけ合わせると面白くなりそうなルールを追加しよう」という思考にシフトしていってください。
いくつもアイディアを出していって、より面白いと思えるものを選んでいきましょう。
「たくさんサイコロを振る」ゲームの場合
勝利条件は「1を多く出す」ですが、ただサイコロをたくさん振るだけだと面白くないですよね。
アイディアとして出そうなのはこんな感じでしょうか。
- プレイヤーごとに持っているサイコロの数が違う
- 6面ダイス、10面ダイス、100面ダイスを混ぜる
- サイコロを交換したり、受け渡しができる
- 2回まで振り直しができる
- 出目を操作できる
- etc…
出てきたアイディアを1つ採用してみたり、組み合わせたりしながら、考えていきます。
例えば、「プレイヤーAは6面ダイスを6個、Bは10面ダイスを10個、Cは100面ダイスを100個持っていて、せーので振って1が多く出れば勝利」というった風に拡張します。
もしくは、「全員が6面ダイスを10個使うけど、プレイヤーごとに2枚特殊なカードを持っていて、出目の操作ができたり、振り直しができたり、サイコロの数が増える。」などでも良いでしょう。
「役を作る」ゲームの場合
勝利条件を「一定のポイントに達した時」にするなら、役ごとにポイントを決める必要があります。
役といっても、サイコロを使うのか、カードを使うのか、麻雀のような牌を使うのかも決まっていないので、ここで決めてしまいましょう。
といっても、いきなり麻雀の牌のようなものを自作するのは難しいので、まずは一番簡単に作れるカードで考えながら、より面白くなる(そして予算が許す)なら、特殊な道具を使ったモノに変更していきましょう。
カードで役を作るのであれば、以下のようなアイディアが出ると思います。
- 同じ数字や絵柄を揃える
- 1,2,3といった順番になっている
- 二組、三組、四組と組みが多くなると高得点
- 余分なカードが無ければ高得点
- 奇数、偶数、素数を揃える
- 特殊な組み合わせ
こういったアイディアを出しつつ、何のカードを使うのか、何枚のカードを使うのか、何枚の手札で役を揃えるのかも併せて考えていきます。
お手本にしたゲームがある場合は、まずはそのゲームの枚数に合わせてから調整するといいでしょう。
コンセプトを出すときにある程度明確なビジョンがあれば、ここはあまり苦労しないと思います。
逆にここで苦労する場合、コンセプトが実は面白くないものだったという可能性もあるので、最初の手順からじっくりと考え直してみるのも良いでしょう。
ルールを整える
ここまでくれば、もうゲームはほぼ完成しているようなものです。
あとはテスト版のゲームを作って、プレイしてみましょう。
まずは1人でゲームの流れを確認するためにプレイしてみて、大丈夫そうなら友達にテストプレイを依頼しましょう。
テスト版用のゲームの作り方や、テストプレイに関しては以下の記事でまとめているので、気になったら読んでみてください。
ここで1つ大事な考え方として、ルールは引き算する方が面白くなるということです。
面白さを拡張する際に色んなルールを追加していったと思いますが、ルールが複雑になりすぎてわかりにくくなってしまうというのはよくあります。
せっかく出して形にしたアイディアでも、時には思い切って諦めることも大切です。
ゲームはシンプルな方が面白さが増すものです。
頭でルールを考えてみても、実際にプレイしてみたり、第三者の意見を聞くと思ってもみなかった問題点がでてくるのはよくあることです。
そして、完璧に完成されたゲームを作ろうとしないのも大切です。
初めてゲームを作る人は完璧を目指すあまり、ゲームがいつまでも完成しないことがよくあります。
完璧なゲームなんてこの世の中にほぼありません。あってもそれは何十年も何百年もかけて洗練されてきたゲームです。
満足度が8割程度までいったのなら、まずは完成させることを目指してみましょう。
終わりに
ボードゲームのルールを作る際に、私が実際に使っている手法を紹介しました。
これ以外にも、イラストから着想を得て考えたり、ぱっと閃いたアイディアで作り出すこともあります。
ただやっぱり、最初にコンセプトとゲームが終わる条件を決めないと、うまく形にならないことが多いです。
この記事がたくさんの同人ボードゲーム作者を生み出すきっかけになれば幸いです。
ボードゲームを自作したいけどルールが上手くまとまらない
アイディアはいっぱい出てくるけどまとまらない
バチっとルールを決めるためのコツとかないなぁ・・・