ボードゲームって作るまではとっても楽しくていいんですが、説明書に落とし込む作業ってかなり難しいですよね。
この記事では、私が自作のアナログゲームのマニュアル(ルールブック)を作る際に、押さえているポイントをまとめ、解説しています。
基礎的な部分をまとめてあるので、この記事の通りに作ってもらえれば、ある程度の完成度の伝わりやすいマニュアルが書けるようになります。
他のゲームをマネする
最も簡単で最も効果的な手法です。
ボードゲームを自作している方は、多くのボードゲームをお持ちかと思います。
まずは、それらに付属しているマニュアルがどんな構成になっているかを読み解きましょう。
特に企業から販売されているゲームであれば、説明書もプロが書かれている場合が多いので、要点がまとめられた素晴らしい教科書になってくれるはずです。
ただ、マネするといっても、初めて作るときは何をマネればいいか分からないかと思うので、それぞれ要素ごとに分解して解説していきます。
構成を考える
まずは、説明書の全体的な構成を考えましょう。
多くのゲームでは以下のようになっているかと思います。
- ゲームの概要/ストーリー
- 内容物
- ゲームの準備
- ゲームの流れ
- その他のルールや補足
最低限必要な要素はこれだけです。
それぞれどんな内容を書けばいいか、詳しく解説していきます。
ゲームの概要/ストーリー
ゲームのストーリーや背景を語り、プレイヤーに対して自分たちはどんな世界で何の目的を持ってこれからゲームをするのかというのを明確にしてあげてください。
カタンの様に世界観が強く出ているボードゲームであれば、開拓者になって他の開拓者より先にカタン島を開拓するといったストーリー仕立てでゲーム概要が説明されています。
ニムトのような世界観重視でないカードゲームでは、ゲームの概要とどんな面白さがあるかが簡潔に説明されています。
ゲームマーケットなどで販売することを考えている場合は、特にこの部分に力を入れると良いです。
なぜなら、サンプルとしてマニュアルをブースに置いた際に、一番最初に読まれる部分だからであり、ここで「面白そう」と思わせることができれば、ゲームを買ってくれる可能性がぐっと高まるからです。
内容物
ゲームで使われている内容部を書きます。
内容物が多い場合や、さまざまなカテゴライズをしておくと後で説明するときに便利な場合は、この部分で一緒に「この内容物はこういう呼称です」と定義しておくと良いでしょう。
ボードゲームであれば、コマの呼称やボードに書かれているアイコンの呼称を定義しておくと、後から説明しやすいですし、読んでいる側も内容物の部分を見ればどれのことを言っているか分かる造りになります。
カードゲームであれば、「傭兵カード」や「魔法カード」といったカードの種類ごとに名前を定義したり、「マナ」「レベル」「説明文」といったカードに書かれている要素の説明もしてしまいましょう。
逆に、トランプの様に単純な数だけ書かれたカードを使うゲームの場合は、内容物は詳細に書かなくても良いと思います。
(ニムトの説明書にはカードの枚数だけが書かれています)
ゲームの準備
ゲームの流れを説明する前には、コンポーネントをどう扱うか説明する必要があります。
ここで大事なのは、なるべく細かく、具体的に書くこと、プレイヤーが疑問に思う余地をなるべく少なくすることです。
例えば、ポーカーを知らない人たちが「カードを5枚配ります」とだけ説明されたらどうなるでしょうか。
「全員に配るの?誰か1人だけに配るの?」「残ったカードをどうするの?」「カードは表向き?裏向き?」こんな疑問が出てくるでしょう。
「他のプレイヤーには見えないように裏向きに、各プレイヤーに5枚ずつカードを配って、残りのカードは山札として中央に置く」と説明すれば、間違いなく伝わります。
ゲームを知り尽くしている製作者の目線と、初めてゲームをするプレイヤーの目線は必ず食い違いを起こします。
なるべくその食い違いを少なくするために、できるだけ詳細な説明を書いておくことをオススメします。
あまりに説明がくどくなってしまっても読み辛くなってしまうため注意が必要ですが、私の経験上、製作者目線で若干細かすぎるなと思うくらいが初見のプレイヤーにはちょうどいいくらいだと思っておいてください。
ゲームの流れ
ここが一番長くて一番苦労するポイントだと思います。
最初のポイントとして、もしここまでの中で勝利条件やゲームが終わる条件が明確に書かれていない場合は、最初にどうなったらゲームが終わるのか、を記載しておくことをオススメします。
ゲームの流れを見るときは、勝つための条件を分かった上で見ていく方が読みやすいからです。
ゲームの流れで大切なのは、大筋の流れをまず書ききることです。
流れを書き出してくと分かると思いますが、細かい例外処理や、ほとんど起きないけどまれに起きるケース(AとBのブッキング)などが出てきます。
こういった細かな処理や例外的な分岐に関しては、注釈を後から入れたり、「口述します」といって後の「その他のルールや補足」で説明を行いましょう。
その他のルールや補足
ゲームの流れや勝利条件の時に説明しきれなかった、例外的な処理を書きましょう。
拡張ルールや特殊な人数でのプレイルールなどもここに記載していきます。
もし複雑な用語をたくさん使うゲームなのであれば、用語集を付けておくこともおススメします。
私がオススメしたいのは、ゲームのコツを書くことです。これ意外と好評です。
同人のアナログゲームって、多くの人が1回か2回くらいしかプレイしないと思います。
だから最初に何に注目しながらゲームをすれば楽しめるのかということをマニュアルに書いておくんです。
何度も遊んで面白さの核となる部分を手探りで探し当ててもらいたいという気持ちもとてもよくわかります。
しかし、面白さが伝わらずにプレイされなくなるより、面白さを伝えてゲームを楽しんでもらえた方がずっと嬉しいはずです。
この構成で、説明書の形になったかと思います。
あとはより分かりやすいマニュアルになるポイントを紹介していきます。
図解する
文字だけの説明書はとっても見づらいです。
ゲームの準備では、準備が終わった後の全体的な場の絵だったり、ゲームの流れの部分では、ゲームフローを図解しておくと、より分かりやすくなります。
もちろん、絵じゃなくて写真でも大丈夫です。
大切なのは、文字を読む前にイメージを頭に刷り込んでおくこと。
文字からイメージを起こすよりも、イメージを文字で説明される方が分かりやすいんです。
ページとサイズを考える
文章と図が用意できれば、後はそれをどう配置するかです。
マニュアルは大きく分けて2種類のタイプがあります。
冊子(本のような形状)か、1枚の紙かです。
どちらを選ぶかは、情報量と好み、あと印刷する際の料金と相談です。
自宅でプリントアウトする場合なら、冊子を作るよりも1枚の紙で全て説明されているほうが便利です。
情報が多い場合は両面に印刷して、折りたたんで収納すればそれほど箱の大きさも気にしなくて済みます。
逆に1枚の紙だと情報が入りきならなかったり、パラパラめくる説明書を作りたい場合は冊子になります。
とてもマニュアルっぽくなって見栄えが良くなりますし、ページ数次第でかなりの情報を入れることができます。
キャラクターを重視したゲームで、各キャラの設定や全体像を載せたい時にはオススメです。
デメリットは、折りたんで小さくできないので、箱の大きさとしっかり相談する必要があります。
印刷所に関しては↓の記事を書いているので参考にしてみてください。
注意したいのは、文字や絵をギチギチに詰め込みすぎないこと。
この辺りはデザインのセンスが問われるところですが、他のゲームのマニュアルを参考にしながら、しっかりと余白を使って読みやすいマニュアル作りを目指してください。
終わりに
私が普段ボードゲームのマニュアルを作る際に気にしている点を簡単にまとめてみました。
ただ、ここで記載した手順はあくまでテンプレートであり、順守する必要は無いと思っています。
ゲームによっては概要の流れでほとんど説明できるようなものもあるでしょうし、印刷の都合で内容物を一切書かないといったこともあると思います。
この記事と他のボードゲームのマニュアルが、自分のゲームらしい説明書を書く手助けになれば幸いです。
ゲームのシステムはできたけど説明書ってどう作ればいいんだろう
分かりやすい説明書ってどんなものだろう
テンプレートとかないのかな・・・