本日こういったツイートが流れてきました。
こちらのzenさんは3Dモデラーさんで、「ワニでもできる!モデリング」という動画を出されているVRChatでは結構名の知れた方です。
このツイート、すごく考えさせられました。
そして、これはきっとzenさんがクリエイターの立場の人故の発言なのだろうと私個人は結論付けました。
この記事ではこのツイートから私が感じた「モノづくりのチーム」に関してお話したいと思います。
”商品”を作るならチームを組むべきです
ボードゲームや3Dモデルなどの商品を作るなら、2人以上のチームを組むべきです。
何故なら「作る人」と「売る人」を分ける方が上手く回るからです。
作る人とは
作る人とは、ゲームシステムをデザインしたりイラストを描いたりするクリエイターと呼ばれる人達です。
上記のzenさんのツイートの通り、作る人というのは「〇〇を作れば売れる」という風潮を好きになれないものです。
これはつまり売れる売れないというものの考え方よりも前に、自分の好きなものを作って欲しい、作りたいという感情が強くあるためだと思います。
「売れそうなモノを作ろう」として作ったものは、本当に自分が作りたかったものなのか。
そんな中途半端なものを作るより、もっと全力で”作りたい”にコミットした作品を世に出して欲しい、そうでなければ創作の世界はつまらない妥協だらけのシロモノばかりになってしまうということでしょう。
クリエイターは売れるか売れないかなんて考えずに作りたいものを全力で作った方が良いものができる。
この考えは私も大いに賛同するところであります。
売る人とは
では、売る人とはなんでしょう。
これは二つの意味があり、一つはクリエイターが全力で作ったものを同じく全力で売ろうとしてくれる人。
もう一つは、今売れるモノを考えてクリエイターへ進言する人です。
クリエイターは売れるモノを作るという考え方を嫌い、自分の作りたいものを作ります。
でも売れなければ創作で食べていくことはできない現実が立ちはだかります。
趣味で作り、別に売らなくていいのならそれでもいいでしょうが、モノづくりで生計を立てたい、自分の作品をお金を出して買って貰いたいと思うならば、マネタイズは避けて通れない道です。
そんな時にありがたい存在が、売る人なわけです。
自分の作った作品を理解してくれている人が自分の代わりに宣伝と販売をしてくれたらどれだけ有益かは、社会に「営業職」というものがある時点で推して知るべしです。
できればこの”売る人”はクリエイターのファンであるのが望ましいです。
ファンはしっかりと作品のいい部分を理解し、買いたい人に伝えてくれますし、売れることでクリエイターの知名度が上がることを何より喜んでくれるからです。
クリエイターを理解した上で「売れそうなモノ」をそっと進言してくれる人ならなお良い関係が築けます。
「この人ならこんな商品展開をしたらもっと伸びるのに!」と思ったことのある人も居るのではないでしょうか。
赤の他人から「これが売れるよ」なんて言われてもクリエイターにはノイズにしかなりませんが、しっかりと作品を理解し、より良いものを作れる方針を伝えてくれるパートナーなら話は変わってきます。
クリエイターの作りたいモノを売れるモノに変えていく、それが売る人です。
チームを組むことでクリエイターは作ることに専念でき、売る人は自分の推しをたくさんの人に広めることができる、まさにWin-Winの関係というわけです。
チームを組むときに気を付けるべき点
チームを組んだとしても、お互いに人間であり、個人です。
人それぞれに全く考えが及びもしないような価値観を持っているものであることを理解し、完全にそれをすり合わせることはできないと知っておかなければいけません。
どんなに理解しあっているように思っても実は小さく食い違っていて後々大きな亀裂に発展する、なんていうことは熟年夫婦ですらよくあることです。
大切なのは「相手なら理解しているだろう」という甘えた前提で自分の行動を正当化せず、しっかりとこまめに話し合いを行うことです。
作る人が気を付けること
まず自分の作品に自信を持つことが大前提です。
どんなに売る人が頑張ってくれたとしても、ツイッターなど公の場で自分の作品の価値を下げるような発言をしてしまえば水の泡です。
クリエイターは自分の作品に自信を持てない人が多いのは日本人の特徴です。
それは奥ゆかしさの現われでもありますが、商品として世に出すならば全力を出し切って自分の納得するものを作り、そしてそれに自信を持つべきです。
売る人が気を付けること
売る人ももちろん作品の価値を下げるような発言はしてはいけませんが、ファンならばそれは少ないでしょう。
売る人はむしろ誇大広告にならないように気を付けないといけません。
特に嘘を付いてしまうことは、後々の信用問題に響いてくるので絶対にやってはいけません。
人は信用に対してお金を払います。
信用できる人が進めてきた商品にお金を払いますが、その料金の累計が高くなっていくほど信用が下がっていきます。
そして嘘がばれるというのはその信用を底辺にまで落とす最低の悪手です。
嘘は無くても、あまりに誇張表現が過ぎると、クリエイターの不安や自信喪失につながってしまうので控えた方がいいでしょう。
作る人の作ったモノの良さを信じて、良いところをコンコンと宣伝していくことが大切です。
まとめ
「〇〇すれば売れる」という考え方は、クリエイターはしないほうがいいと私も思います。
しかし、売る人は逆にこの考えをしなくてどうするんだと思います。
自分の感性を信じて研ぎ澄ませ磨き上げた逸品を出すことも、世の中のニーズに合った商品を出すこともどちらも面白い世の中には必要だと私は考えます。
チームを組むというのは、そのどちらも満たすことが可能な素晴らしい選択肢だと私は思います。
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