デジタルゲームでもボードゲームでも、無限に遊べてしまうものがあります。
それらは恐らく「良いゲーム」と定義して間違いないでしょう。
そんな「良いゲーム」には、共通して「良いリアクション」が設計されています。
今回はそんなリアクションに関する記事となります。
記事の内容
- ゲームにとってリアクションは大切な要素です
- 良いリアクションとは何かを解説します
- 良いリアクションばかりでは飽きてしまいます
✓リアクションは大切
ゲームにおけるリアクションとは、「プレイヤーの行動に対して行われる反応」のことで、遊びの基本となる要素です。
・敵を攻撃する→敵が倒れる
・お金を手に入れる→チャリンと音がする
・ダイスを振る→コマが進む
・攻撃カードを出す→相手のライフが減る
左側がプレイヤーのアクションで、右側がゲームからのリアクションです。
もし、プレイヤーがアクションしたのに何のリアクションも無いとどうなるでしょう。
・敵を攻撃する→構わず突っ込んでくる
・お金を手に入れる→無音。数字も増えない
・ダイスを振る→何も起きない
・攻撃カードを出す→何も起きない
何も起きません。何も起きないとやる意味がありません。つまらないです。
リアクションとは、デジタルゲームでもボードゲームでも、ゲームにおいて「あって当然」「必須の要素」といえます。
✓良いリアクションとは何か
何でもいいからリアクションがあればいいのかというと、そうではありません。
プレイヤーの予想とリアクションが一致すると、気持ちがいいのです。
・敵を攻撃する→自分が後ろに下がった
・お金を手に入れた→壮大なファンファーレが毎回鳴った
・ダイスを振る→剣が装備された
・攻撃カードを出す→罠が仕掛けられた
とんちんかんな反応で訳が分からないですよね。
プレイヤーは色んな結果を想定し期待ながら行動します。
攻撃するなら相手にダメージを与えたり吹き飛ばしたりできることを期待して行うのです。
その期待に対して適切な答えを提示することがデザイナーの役割です。
✓意外性のあるリアクションも混ぜる
時には、プレイヤーの予想と反するリアクションを用意するのも効果的です。
予想と結果が同じだと気持ちは良いのですが、だんだんと飽きてきます。
そこで、時々予想と違う結果を出してやることでプレイヤーに驚きを与えて飽きさせないようにするわけです。
もちろん、とんちんかんなリアクションではなく、プレイヤーに納得感を与えられる理由のあるリアクションが望ましいです。
・固い敵を攻撃する→攻撃が弾かれる
・ちょっとレアなアイテムを手に入れる→いつもとファンファーレが違う
・ダイスを振る→1つ前と同じ目が出たら倍進める
・攻撃のカードを2枚出す→別々の敵に攻撃できる
攻撃を繰り返している内にキン!と音が鳴って攻撃が弾かれたら「何だ!?」という驚きがありますし、ダイスを振って2回同じ目が出たら「ラッキー!」と思えるわけです。
✓まとめ
最近V4とLost Arkという2つのネットゲームがリリースされました。
この2つはどちらも「敵を倒していくMMORPG」という点が共通しています。
しかし、私はLost Arkの方が「面白い」と感じ、逆にV4には魅力を感じませんでした。
理由は、敵を攻撃した時のリアクションの差です。
Lost Arkでは攻撃によって「重力場を出して敵を集める」であったり、「敵を吹き飛ばして置きあがるまでの間に溜め攻撃を溜める」といった、敵のリアクションを利用して戦闘を有利に進めるスタイルがとれました。
しかし、V4はどの手段で攻撃しても、「敵がちょっとひるむ」程度しかリアクションがなく、攻撃に対するリアクションのバリエーションが少なかったのです。
V4ではどの攻撃もただ「敵にダメージを与える」しか効果が無いため「何をやっても同じ結果しか得られない」と感じてすぐに飽きてしまいました。
この体験から、今回のリアクションに関する記事を書いたという流れです。
おもしろいゲームには、適切なリアクション、そして飽きさせないリアクションが必須というお話でした。
この記事があなたのゲームデザインへの一助になれば幸いです⭐
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