2020/12/18と19にCLUB RUINSというVR空間でのDJイベントにて、今年最後のフェスが開催されていました。
主催はkagamiiiiinさん、minawaさん、yopiさんの3名。
私は19日のイベントの際に、カメラマンとして参加してきました。
特にリアルでカメラマンをやっているわけではないですが、VRChatを始めてから2年の間に約12万枚という他の人と比べて明らかに異常な数の写真を撮りまくっていました。
主催のkagamiiiiinさんとはVRChat開始当初からの友人だったので、その実績も買われて今回よばれたという形です。
この記事では、今回のイベントカメラマンとしての経験を通してバーチャル空間におけるカメラマンとは職業として成立するのかを考察していきます。
バーチャルカメラマンは職業として成立するか
結論から言うと、バーチャルカメラマンは職業として成立すると思います。
現実世界でのカメラマンは、主にイベントの主催者から依頼され、イベント会場で思い出となる写真や宣材用の写真を撮影する仕事です。
写真を撮るだけならば、別にお金を払って他人に頼まなくても友人や知り合いに頼んでも問題なさそうなものですが、ちゃんと職業として成立しています。
これは何故でしょうか。
カメラマンの役割
カメラマンに撮影依頼をする理由は以下の3つです。
- 良く見える構図などプロとしての技量
- 高品質な機材での撮影
- 主催者、参加者の代わりに撮影
特に個人主催のイベントでは、3つ目が重要視されると考えられます。
主催はイベントの進行、状況把握、参加者への挨拶、トラブル対応などなど様々な雑務が発生します。
それらの雑務をこなしながら会場内の様子を撮影・・となると手も時間も足りません。
そこで専属のカメラマンを雇い、そのイベントの記録を残してもらおうとするわけです。
今回のRUINSで私がカメラマンとして呼ばれたのも、主催者の方々の手がいっぱいで撮影まで手が回らないという事情があったからでした。
DJイベントですから、参加者の人達もDJの流す音楽を聴きに来ているので写真を撮る人達は少ないと思われます。
せっかくのイベントなので記録に残しておきたい、でも写真を撮る人が居ない、ならばイベント運営者ではなく、参加者でもない専属のカメラマンを呼ぼう、となるわけですね。
今は収入を得るのは難しい
職業にできるとは書きましたが、今の状況では収益を得る、報酬を貰うことは難しいでしょう。
商売とは原則として悩んでいる、困っている人に対してその悩みを解決できる手段や商品を提供することで成り立ちます。
今回のイベントに対するカメラマンというのも、写真を撮ってくれる人が居ないという悩みを解決する手段を提供しています。
しかし、現状のVRの界隈では収益を得るのは難しいでしょう。
その理由を解説します。
個人規模のイベントでは報酬が出ない
VRChatで個人でイベントを開催されている方はたくさんいらっしゃいますが、そのほとんどは交流が目的であり、金銭のやりとりは発生していません。
イベントの主催者にある程度の報酬が入る場合は、お金を払って人を雇うといったこともできると思いますが、趣味でイベントを開催されている人がほとんどなので、お金で人を雇うことはされていません。
またイベントの主催者の方は人望の厚い方が多く、ボランティアや協力者を募っていることも多いため、お金を払って人を雇うこと自体が必要ない状況とも言えます。
企業はワールド公開が主流
では収益を発生させている企業はどうなのかというと、まずそもそもまだ企業、法人はほぼ参戦してきていない状況です。
開催されているイベントもVketのような期間限定のワールド公開型(美術館を建てるようなイメージ)のイベントであり、DJイベントのようなライブでリアルタイムの体験を提供するようなものは行われていません。
誰でもある程度のクオリティの写真が撮れる
バーチャル世界では今のところ機材やツールによる写真の良し悪しに差を作ることはほぼ出来ない状態です。
また、ピンボケや手ブレなどが発生しない、光源の考慮をほぼしなくていいなど、誰でもある程度上手な写真を撮れるようなツールとなっているので、カメラマンに求められるスキルもリアルに比べて相対的に低くなってしまっています。
構図や絵作りのスキルがある、独自の外部ツールや編集ツールによるサービスを提供できるといった強みが無ければ、報酬を得られるカメラマンとして活動するのは難しいと思います。
今バーチャルカメラマンをやることは無駄ではない
報酬を得ることも難しい現状ですが、今バーチャルカメラマンを名乗り、様々なイベントへ無報酬でもいいから参加していくことは決して無駄ではないと私は考えています。
理由は将来職業として求められた際に先行者有利が働くからです。
バーチャルでライブなどのイベントが沢山開催されるようになった時に誰かが「お金を出してでもカメラマンを雇いたい!」と思った時、「今日からカメラマン始めました!」という人と「VRのイベントでカメラマンとして活動した実績が複数回あります」という人ならどちらを採用するでしょうか。
間違いなく後者ですよね。
もちろん、未来は誰にも分かりません。
バーチャルなライブなんて今だけかもしれませんし、AIや自動でのカメラ技術などが発達して人の手でカメラを操作することが時代遅れになる可能性もあります。
しかし、今のうちにカメラを扱う技術を高め、構図の勉強などを詰めておくことで、そういったシステムを使う側に回ることも可能です。
まとめ
バーチャル世界でのカメラマンにも需要はあります。
職業にはなりえますが、現状すぐに報酬を得ることは難しいでしょう。
しかし今後のVR界の発展次第では、十分に可能性はある職業ですし、今の内からスキルを身に着けておくことは決して無駄にはならないと私は考えています。
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