ボードゲームを作ってるけどいくらに設定すればいいんだろう。
なんかボドゲは原価ギリギリか割れてるのが当たり前っぽい…
やっぱり趣味だし原価で販売した方が良いのかな?
こんな不安を持つ方に向けた記事になります。
ゲームマーケット2020秋が終わった頃、Twitter上で個人で作られているボードゲームの販売価格に関するつぶやきが少し多くなりました。
見ていると、個人製作されている方は原価ギリギリ、もしくは原価割れしているといった発言がちらほらありました。
この原価が割れている状態はボードゲーム業界的に結構危険な状態と感じています。
この記事では、原価割れがなぜ危険なのか、どうすればいいのかに関して私の考えを書いていきます。
■自作ボードゲームの「原価割れ」は危険です
みなさんご理解のこととは思いますが、通常商売における原価割れはご法度です。
原価が割れているということは、全ての商品を売り切ったとしても赤字なわけですから、どんなにその商売を続けても儲けが出ないわけです。
原価ギリギリだったとしても、参加費や運送費などの経費でマイナスになっていくのでどんどん自分の首が回らなくなっていっていずれ製作できなくなってしまいます。
私は原価の倍程度で販売していますが、それでも2020秋は経費と合わせてトントンという結果になっりました。(詳しい内訳はこちらの記事で収支を公開しています。)
趣味なんだから別に儲からなくていいじゃない。
本業の収入で製作費はまかなえるから大丈夫だよ。
確かに趣味なので売り上げ関係なく好きなものを作って売りたいというのは分かります。
普段趣味で使うお金を製作費に回せばいいやという考え方のかたもいらっしゃいますし、ゲームを作ること自体が目的なので儲けなくても続けられる方もいらっしゃるでしょう。
しかし見るべきなのは「後発の新規参入者」かと思います。
ボードゲームが好きで「自分もボードゲームを作ってみたい!」と思った人が、「自作ボードゲームの世界は原価ギリギリか赤字になる世界だよ」なんて言われて参加したくなるでしょうか。
そんな界隈、よっぽど強くボードゲーム作りたいと思ってる人か、資金や生活に余裕のある人しか参加できなくなっちゃうよね~
更に今自作している方々も、原価ギリギリが当たり前なんて風潮が出来上がってしまえば、どんどん資金を用意するのが辛くなっていき、次第に辞めてしまう人が増えてくるでしょう。
新規の参加者が居なくなり、辞めていく人が増えれば当然その業界は潰れます。
原価を割る値段で販売するというのは、業界を潰しかねない禁じ手なのです。
■いくらが適正なのか
じゃあいくらで売ればいいのさ
具体的な値段はケースバイケースですが、少なくとも赤字を避けましょう。
製作サイドはよく原価だけで値段設定をしていて、ゲームシステムを思い付いた料金や商品化するまでの手間など製作に掛かった労力を軽く見る傾向が強いです。
購入者側も安ければ安いほどいいなんて考えの方ばかりじゃないよ!
むしろ真っ当な評価をする方は、製作に掛かる苦労、販売に掛かる労力、その他諸々の製作サイドの大変さをしっかりと理解したうえでゲームを買ってくれています。
原価に対して自分の苦労や努力をしっかりと価格として上乗せして大丈夫です。
そういった理解ある方々は間違いなく業界を支えてくれている人達なので、そんな人達により楽しいゲームを供給し続けられるようにしっかりと売上を出して次へ繋げること、そして新たな製作者を呼び込むことが販売側に求められることかと思います。
■リトルデザートの値段の決め方
参考用に、私の参加しているボドゲ製作サークル「リトルデザート」での制作時の考え方を書かせてもらいます。
まず最初に生産量と在庫を抱えるリスクを考えます。
リトルデザートは数年単位でイベントに参加し続けて、少しずつでもいいからゲームを販売していこうと考えていますが、いつかほぼ売れなくなってしまう可能性も考慮に入れなければならないと思っています。
なので、生産した数の半分は絶対に売り切れるようにと考え、販売値段は原価の倍以上にしようというのが基本方針です。
原価の倍で半分売れれば元が取れるわけ!
その上でイベント会場で支払いやすい様に500円単位で値段の切り上げ、切り下げを行って最終的な値段にすることが多いです。
原価ではありませんが、試作に多くの費用がかかった場合などはそれも必要経費だったと判断し、少し値段に上乗せさせていただいています。
値段が理由で売れる/売れないということはありますが、高くてもゲームの面白さ、独自性をしっかりと理解していただいて、購入していただけた方はたくさんいらっしゃったので、この方針はそれほど間違ってはいないと感じています。
■まとめ
自己犠牲は美しく称賛される行為ですが、それを続けるといずれ自身は破滅しますし業界も潰れてしまうためいいことなんてありません。
ガッツリ儲けよう!とまでは言いませんが、しっかりと売り上げが出て新規参加者がワクワクしながら夢見れて参加できるような界隈にしていきたいと思っています。
値付けに関しては以下の記事でも話題に上げていますので、参考にしてみてください。
この記事がボードゲーム製作の活動の参考になれば幸いです⭐
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