ぶっちゃけ、個人でボードゲーム作って儲かるの?
そんな疑問に答えていこうと思います。
最初に結論を言っておくと、儲かりません。割と無理ゲーです。
記事の内容
- 同人ボードゲームは儲からない理由
- どうやったら儲けられるかの考察
- 何の為に作るのか
この記事は、ゲームマーケットでの頒布活動を中心に4年間、同人のボードゲーム製作と販売を行い、累計400個ほど捌いた私の感想を中心に書いています。
ボードゲームを売って儲かるか
冒頭でも書いた通り、儲かりません。
何故かというと、原価が高く、販売値が安いから。
カードなどの簡単な印刷物はまだいいんですが、箱やトークン、コマなんかをちゃんとしたもので作ろうとしたら結構な費用が掛かってしまいます。
箱だけでも300個作って11万4000円(単価400円)、100個しか作らなかったら5万8000円(単価580円)もかかる。2000円で売るゲームを作るとしたら箱だけで25%くらい原価で持っていかれてしまう。(萬印堂さんでA6サイズの箱にした場合で算出)
もちろん、箱を小さくしたり、加工を安いものに変えたり、内容物を少なくするとかで費用を削ることはできるんですが、印刷物、製造物である関係上、大きくコストカットするのは難しいですし、コストをカットすると見栄えが悪くなって今度は売れづらくなったりしてしまう。
少なくとも「単純に作れば作るだけ売れて、簡単に儲かる」という世界ではありません。
どうやったら儲けられるか
では、どうやったら儲けを出すことができるのか。
簡単に書いてしまうなら、たくさん作ってたくさん売れば儲かる、が答えです。
原価が高くなってしまうのは、少数しか作っていないから。(300個でも少数です)
これを1000個、5000個、1万個と作成すれば、原価はぐっと低くなります。先ほどと同じ箱を1万個作ったなら、単価は283円まで落ちます。少数だとオンデマンド方式が採用されているので、オフセット印刷になればもっと単価は落ちるでしょう。
オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いに関してはコチラの記事で軽く触れてるので参考にしてください。
沢山作れば単価はどんどん安くなりますが、次に問題となるのが製造費用と在庫の保管と売れるのか問題。
単価283円の箱を1万個作るということは、283万円も元手が必要になります。箱だけでこれだけかかるので、一式作るためには1千万円近く資金を用意しないといけなくなります。
更に、ボードゲームはデータじゃなくて現実に存在するモノです。1万個もの在庫を置いておくためのスペースが必要になります。50個入りの段ボール200箱。1戸建てでも1部屋潰してなんとか入るかどうかというところじゃないでしょうか。
そして、1万個も同じボードゲームが売れるのかどうか。中田敦彦さんがYoutubeでオリジナルのカードゲームXENOを作って、10万個販売したとおっしゃっていました。2020年7月初頭の動画で報告されていた時点でのチャンネル登録者数は約250万人。
これだけのインフルエンサーの人が発信して10万ですから、その10分の1の1万個を完売しようと思ったらどれだけの知名度、どれだけの年月が必要かは推して知るべしです。
原価1000円のゲームを2000円で1万個売れば、売上は2000万円、利益は1000万円になるので、儲けることは可能です。それだけ作るための元手と、場所と、売る手段があれば、という前提はありますが。
何の為に作るのかを改めて考える
ボードゲームは単純に作るだけじゃ儲からない、儲けるためには元手、場所、売る手段が必要になってくるというお話をしました。
儲からないなら作らないほうがいいな
そう思う人もいるでしょう。儲けを第一に考えるのであれば、ボードゲームではなくもっと別のものを私はオススメします。
でも、「ボードゲームを作ろう」って思う人は、きっと「ボードゲームが好き」なんだと思います。
遊んでみて楽しかった、自分にもアイディアがある、そのアイディアを形にしてみたい、そう思って作ろうと思い立った人達ばかりじゃないでしょうか。
儲けるのは大切です。在庫を抱えて赤字を出せば生活が圧迫されますし、儲けが出ないと次の作品を作りたいと思っても資金が足りなくて作れないなんてことにもなってきます。
自分の作りたい気持ちを満足させられて、作ったゲームを知ってもらいたいという気持ちを満足させられて、次のゲームに繋げられるような、そういうポイントを見つけていくのが、本当に大切なことだと私は思います。
値段の決め方や、相場の考察などもしているので、以下の記事を参考にしてみてください。
終わりに
自費製作のボードゲームは、基本的に儲かりません。沢山売ろうとしても物販なので元手がかかるし、沢山売るには知名度も必要です。
でもきっとボードゲームを個人で作る人は、儲ける以外の楽しさを見出して作っていると思います。私もその一人です。
遊ぶ楽しさ、作る楽しさ、どちらも気軽に手にできる、それがボードゲームの魅力でしょう。
この記事が一人でも多くのボードゲーマーに届いたなら幸いです⭐
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